震災を機に、人生と料理の心機一転…大崎市古川発の牛たん屋「たんたん」
かつては、塩竈の洋食店で働いていた佐竹氏。
震災で働いていたお店も津波の被害を受け、継続する事が出来なくなってしまった。
しかしその後、義理の御子息が東京で牛たんのお店を開く事に。
かつて仙台で牛たん店の店長を任された経験を活かし、故郷を離れ、お店の立ち上げを一から半年間手伝った。
「ただ稼ぐ事を考えるより、70、75ぐらいまで、一人で長く続けられる自分の店をやっていきたい。」
無理をするよりも、自分のペースを守りながら長く続けたい。
そんな考えが芽生え、フレンチの道を一転、古川で牛たんのお店を始める事に。
こうして震災からおよそ1年半、様々な人の協力もあり、大崎市古川発の牛たん屋「たんたん」がオープンした。
「ファミレスとかはいつも同じで良いと思うけど、うちみたいなお店は日々、変化が必要。商売はそういうものかなと思うし、そのほうが面白い」
と考えを語ってくれた佐竹氏。
お客さんからの要望や自分の何気ない日常生活から、自分が目にした事や聞いた事を少しずつ加えていく事を常に心掛けているそう。
新しいメニューは勿論、皿や陶器、お店の内装などにも日々少しの変化がある事で、お客さんが再度来店されたときに楽しみを感じてもらえるようにとの佐竹氏の心遣い。
リクエストメニューの『牛たんシチュー』は、お客様の為の変化と、『牛たん屋』であるというこだわりの大切さを如実に表している。
リクエストメニューに合わせて準備した、解禁日のボジョレー・ヌーヴォー。お店には、お客様に合わせて様々なリクエストメニューがある。
「お客さんからのお土産が、その店の良さを示すバロメーターになる」
「以前勤めていた店は、お客さんからのお土産が絶えなかった。勤めていた時には気付かなかったが、今、自分の店を持って改めて分かった」
佐竹氏はそう語る。
「先日来た常連のお客さんが、初めてお土産をくれた。それが凄くうれしくて。金額とかじゃなくて、外出先とかで店の事を思い出してくれる。それが凄くうれしいんだ。」
環境を変える事で改めて分かる事、改めて感謝の気持ちを持つ事がある。
佐竹氏の話す顔は、とても楽しく、喜びにあふれていた。
「テーブルやボトル棚は、作ってもらったもの。冷蔵庫や冷凍庫も、知人に譲ってもらったもの。」
佐竹氏は、嬉しそうに言った。
聞けば、開店当初から、「出来るだけお金をかけない」事を考えているらしい。
何も、出し惜しみをしている訳ではない。
「最初から無理にお金をかけなくても、きちんと利益を出せば、周りからの恩は後からいくらでも返せる」
これも、食器や内装にもこだわっていたフレンチ時代からの学びらしい。
「その代わり、仕事には妥協しない。いつ来ても、同じ味の牛たんを出す。これには時間も手間も惜しまない。」
初めてインタビューした時から、繰り返し聞く「仕事には妥協しない」という言葉。
いつもその言葉を言う時は、言葉に力が入っている。
友人に頼まれて始めた、牛たんシチュー。
お客様から聞き、日々増えるリクエストメニュー。
義理の御子息に勧められた、「天使の海老」。
「かつては調理場の中だけの人間だった。美味しい料理だけを出せばいいと思っていた。
だけど、そうじゃない。これも、自分の店を持って初めて分かった事。」
日々の変化、牛たんへのこだわり、そして、いつでも楽しそうに話してくれる尽きる事のない話題。
炭火厚切り牛たん たんたん
住所:〒989-6163
宮城県大崎市古川台町4-2
電話:080-1801-4173
乗換案内:古川駅 (リオーネ古川直近)
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JMTC古川教室
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定休日 土・日・祝日はお休みをいただいております
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株式会社JMTC
Do東北編集部
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