“こころ”通う、憩いのお茶屋さん。~人の繋がりを大切に出来るお店~


お客様への感謝を胸に32年

三浦病院向かいの静芳園茶舗様店舗
三浦病院向かいの静芳園茶舗様店舗

店の番頭に毎日立って32年、奥様の千葉洋子さんにお話を伺った。

『店を始めた当初は、どんなふうに接客してよいのか解らなかった。けれどそこで逃げ出さないで、“何とかしてやるぞ!”の精神で頑張って来たのね。

“好きな仕事を探す”のじゃなくて“仕事を好きになる”事が大事。そうやって32年続けてこられたおかげで、今ではたくさんの信頼を頂く事が出来たの。』


使うのが楽しみになりそうな茶器たち
使うのが楽しみになりそうな茶器たち

そんな前向きな洋子さんのお話は、今までの32年、数々の問題があっても、乗り越えてきた自信に満ちていた。

 さらにお話を伺って行くと”信頼”と”人のつながり”を大切にする人柄を感じられることとなる。


32年の「繋がり」から生まれた想い

『“継続は力なり”“信用は家宝なり”。

 お店の考えとしては、商品を買って頂くこと以上に、お客様との“こころのつながり”が一番だと思っているの。

 来て頂いたお客様とお茶を飲んで楽しい話をして、お互いの心が豊かになれば、「もの」っていうのは皆豊かになるし、美味しくなる。敢えてお店でも普通のポットでお茶を淹れているんだけど、お客様からは、“お茶屋さんに来ると美味しくお茶が飲めるね。”って。その“こころ豊かに飲むこと”の違いなのよね。

 そうやって親しくなれたお客様からの言葉は、アドバイスなのだから…そのようにしていけば自ずと自分も豊かになると思うの。だから「“信用は家宝”なんだよ」って言うの。「お客様は家の宝なのよ」って。だから“家宝のお客様”達には、静芳園で出来る目一杯の、静芳園でしか出来ない事を提供するの。』


新年にお客様にふるまうおせち料理。一品一品洋子さんの心がこもっている
新年にお客様にふるまうおせち料理。一品一品洋子さんの心がこもっている

静芳園でしか出来ない事。それは、個人で営むお店だからこそ出来る“心配り”を欠かさない事なのだという。

 例えば、ご主人がお店にいらっしゃる時、可能ならばお客様をご自宅にお送りするという。

『“また来たいな”と思って貰えれば…それが静芳園としての「こころの感謝」の仕方なの。』 

 損得ではなく、そういった“こころ”の部分を大切にしていれば、利益は自ずと後から付いてくるのだという。


まずもって商売はお客様に来ていただいて生活させて貰うっていう「感謝」を常に持つことが大事。あとは「笑顔」

お客様に対しては、常に100%の笑顔で接する洋子さん。プライベートで何かがあったとしても、それを大事なお客様に対して表すのは“面白くない事”だと明言された。

 お店側から笑顔で誠意を示せば、お客様も明るい気持ちのまま、お店に滞在することが出来る。お客様としては“またあのお店に行きたいな”と感じる事が出来るそのような形で信頼関係を築けるお客様が増えていけば、お店側の心ももっと豊かになり、更に素敵な笑顔で店頭に立つ事が出来るのではないだろうか。

 また、毎日笑顔を心掛ける洋子さんには、こんなエピソードもある。

(お孫さんの幼稚園の)先生が、“いつもおばあちゃんは何してますか?”と(お孫さんに)言うのに対して、“おばあちゃんは、いつもわらってます”って(笑)』 

 お店で明るく笑う洋子さんを、いつも見ているお孫さん。そんなお孫さんには、“笑顔であいさつが出来る人が好き!”と常々話して聞かせているという。

 人と接する事の基本は“笑顔で挨拶が出来る事”。

 そこから全てのつながりが生まれて行くのだと、お話を伺いながら改めて学ばせていただく事が出来た。


生まれ変わっても、商売をやりたいと思っている

お店を営みながらも、百歳で亡くなられたおじいさんを自宅で看取る事が出来たのだと語って下さった洋子さん。

『初めての介護でもそれが出来たのは、やっぱりみんなお店のお客様にききながら勉強できたから。商売のおかげさま。』 

『わからなかった事は、お客様から経験談をきけた。自分はお店をやっているのでプロに相談しには行けないけれど、お店に居れば、居ながらにしてお客様に経験豊富なお話をきかせて貰える。そうやって自分の引き出しや知識を豊かに出来た。お店に居ながらにして勉強も出来る、っていう。商売っていうのはそういう事で。だからおかげさまで、百歳まで介護が出来たの。』

 “おかげさま”。今回幾度も発せられたその言葉からは、これまでに積み重ねてこられた“お客様との信頼関係”が色濃く伺えた。

 また、そのようにお客様方とふれ合う事で、日々ご自身も成長させて頂いているのだという。

『体だけじゃなくて、“こころ”も健康でいなくちゃいけない。だから“こころ”を肥やさなきゃいけない。そういうものも、いっぱい来るお客様とのお話の中から頂くのよ。やっぱりそれも、全てお客様があってこそ。自分が成長させてもらえるのは、最高!だから生まれ変わっても、商売やりたいと思ってるの!』

 お店を営む事で色んな人とつながる事が出来て、自分も相手もこころ豊かになれる。そんな商売は自分にとって最高なのだと、洋子さんは目を輝かせて熱弁してくださった。

将来はお客様との憩いの場に

『理想の形として…物は売らないで、みなさんとの憩いの場に出来たらいいなと思う。』

  お客様との会話を大切にしてきたからこその、今後の目標を語って頂いた。

『例えば何か良いことがあれば、みんなで“こういうことあったよー”って。そういう話で一日を過ごせるでしょ。だから出来るだけ皆さんに共通する話題で…癒しにして貰えるような話を自分で持ってきて、憩いの場にしたい。』

 これからも、お客さんとの会話の中で“さらにこころを豊かにしたい”と語ってくださった。

人と人のつながりを笑顔と共に生み出せる、そんなあたたかな、“まちのお茶屋さん”。

 美味しいお茶と洋子さんの笑顔に会いに、是非またゆっくりと訪れてみたいと思う。

※通信販売は行っておりません。是非、店舗へ足をお運び下さい。


静芳園茶舗

住所 989-6154 宮城県大崎市古川三日町2-1-5
電話

0229-23-9292

アクセス 

大崎市役所より徒歩10